Silver Lake / Echo Park / Los Feliz / Pasadena
最後のボヘミアンと呼ばれた芸術家

僕の住んでいるCalifornia州Pasadena市から、20分も車で北上すると”Altadena”と言う街がある。大きな山脈の麓に広がる、自然がいっぱいの街だ。 どこか建物も50〜60年代的で、ファーマーズマーケットも頻繁にあるし、町中の割に牧畜も盛んだし、ナチュラリストが多い印象。以前からなぜか妙に気になっていた街ではあったけど、先日出逢った少し風変わりな少女のお陰で遂に少しだけ謎が解けた。

彼女はJirayr Zorthianと言うアーティスト/建築家の孫娘で、フォトグラファー志望の学生だった。 彼女の祖父Jirayr(故人)の所有する広大な山間の牧場、と言うか、ヒッピーコミュニティの様な土地で撮影した際に案内をしてくれた。 <http://en.wikipedia.org/wiki/Jirayr_Zorthian>

JIrayrはトルコ領アルメニア人で、迫害の為にアメリカに同胞と共に亡命して来たらしい。 幼少期から芸術の才能は卓越していて、イェール大学を奨学金で卒業。ペンタゴンに50メートル近い壁画も描いているし、アンディ=ウォーホルも彼の誕生日パーティに遊びに来ていた凄いヒトだ。(ただ、この誕生日パーティーは、まさにボヘミアンコンセプトで、激しく開放的だったみたいなので、当時の進んだ人達の間では、彼のアートより彼の打ち出すパーティーの方が興味深いと言うヒトも多かったそう)

そんな彼が最後の土地として選んだのが、Altadena。ボヘミアンな性質の彼はアメリカで育っていった過程で、”なんとこの国と人々は、浪費を好み、資源を考え無しに消費するのだろう!!”と嘆き、自分だけはせめて自給自足出来る土地を、そして建物もリサイクル資材で自分で建てようと試み、以来、2004年に亡くなるまで40年以上もその生活を保っていた。 (建築家でもあった彼が建てた建造物は、その異様さから、様々な映画や写真撮影のロケーションとしても使われている)

今は5人の息子の一人Alanがその生き方を引き継いでいて、同じく敷地内に住む牧場管理の青年は近隣の住民に家畜との共存方法などを教えるレクチャーも開催している。

Altadenaは夏は暑いし、風は強い、ハードな土地だ。 だけど、自然と共に住みたいのであれば、よりダイナミックな方が良いらしい。去年は飼っていたヤギがマウンテンライオンにくわえられているのを見て、鍬で戦ったらしいし、大きなワシはニワトリを狙いに来る。

そうか、この街を通る時に感じていたザワザワした感じは、この野性味が新鮮だったのかと、、帰り際考えていた。

最近はロサンゼルス界隈でも自家農園だけでなく、鶏を飼育して卵を得たり、時には肉を得たりする家庭も増えている。都市的生活を追い求めて来た人々の中にも、Jirayrの様な考えを持つ人達が現れて来たって事だろうか? 少なくとも、僕は自分の中にそれの大切さを少し感じ始めている様に思った。