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Arcosanti by Paolo Soleri (建築家なのか思想家なのか?)

Paolo Soleriと言う建築家が彼の研究と建設に尽くした93年の人生を静かに終えたのはまだ今年の4月の事だが、アリゾナの郊外の砂漠地帯に未だ建設中の彼の遺作 “Arcosanti”は今も彼の思想の支持者達に引き継がれ、彼の夢見た理想郷を目指して日々新しい創造に追われている。

“Arcosanti” とは彼の造り出した造語で、Arcology (これも彼の造語、Architecture+Ecology)+ Cosanti (反物質主義 Anti Cosaと言う意味)からそう呼ばれている。

彼の提案する理想的な都会的生活環境を実践している実験都市だ。

イタリア人である彼がなぜアメリカのしかも当時では辺境とも呼べるアリゾナ州フェニックス郊外を人生の最終地点と決めたのには、他でもないフランクロイド=ライトの存在があった。(1946年、イタリアで最高峰である “Politecnico di Torino ” を主席で卒業した彼は、ライトのフェニックスの冬用住居で開催していたTaliesin Westと言うワークショップにしばらく参加していた。)

先日からロサンゼルスで撮影させて貰っている John Lautner や Rudolph Shindler をはじめ、今更ながら当時のライトの存在感には驚かされる。上記の学校/住居である”Taliesin West” もパブリックに開かれているので、是非次回はココをメインに行ってみたい。

話は戻ってArcosanti、一言で言えば ”しばらく住んでみたい場所” であった。 (実はそれは実現可能なワークショッププログラムとして彼らの団体がオファーしている。)

彼らの実践するエコロジー+建築は今の世界にもたぶんに応用可能とも思えるアイデア満載な事はもちろんだけど、イタリアの都会で育った彼がアメリカのサバーバン(Suburban/郊外) での生活を見て思った人と人との距離の遠さ(超個人主義)、またそれに拍車をかける車の発達による都市の平面的な広がりの危うさに着眼していた所がとても興味深い。

彼の言うには、人間は家族以外の他人とある程度の近さを保つ必要があるらしい。 それによって精神的な秩序が生まれ、集団生活の中でこそ新しい閃きや発明が生まれると考えていた。 ある意味、他人と共存していく中で起こるストレスを解決する為に人間は新たなアイデアを生み出すのかもしれない。

東京の比較的混み合った街で育ち、その後カリフォルニアでの車生活による超個人主義の生活を営んでいる僕にとって、共感する部分は確かに多かった。

いま、Arcosanti には150人位の住人が居る。 建設当時の目標であった1500人の10%であるが、世界中から集まって来た主に若い芸術家や建築家の彼らは、そこでの生活を心から楽しんでいる様に見えた。

次回はその後に訪れたPaoloのセラミックスタジオ” Cosanti” について書いてみようと思っている。