Beverly Hills / Robertson / West Hollywood
UCLA Ballet

どうして僕が時々バレエを撮影に行くのかと言うと、そこでは純粋な美と格式の備わった瞬間に出逢えるから。そしてダンサー達各々の完成に近づきたいと言う欲求から呼び起こされる女らしさ(男らしさ)の究極、そしてりりしく凛とした彼らの横顔がクラシックピアノの軽快な音色に合わせて目の前で交差していく情景は、幼少期をクラシック音楽に囲まれて育った僕の美に対する原点を思い起こさせてくれる。
一言で美と言ってしまうのが勿体ないくらい、様々な角度からの美しさを毎回見つける事が出来るのは、バレエが伝統と歴史を守りながら今も進化を続けている数少ない芸術だからだろうか。
フランスの古典的なロマンティックバレエから始まり、バレエ後進国だった帝政ロシアでその後興ったクラシックバレエ時代に、従来のドラマ性重視から、もっとより肉体的に複雑な技法に傾倒していった訳だけど、ミハイル=フォーキンたちの提案した様々なステップや民族舞踊なども取り込んだ現代のモダンバレエは、長年オリンピック競技にもなっているフィギュアスケートの様な、むしろスポーツの要素も多く含んでいるそうだ。
年を追うごとに進化していき、ダンサー達の肉体改造、管理も精密さを増していく。 もちろん絵画や古典的なクラシック音楽などの芸術も伝統としての価値は余り在るけど、僕がバレエに傾倒するのはきっとそこにまだ伸びしろと言うか、可能性を大きく感じるからなのだろう。
などと言うように最高峰のレベルではこのように思っているけど、それと同時に、始めたばかりのダンサー達の危なっかしいけど、若く、ひたむきな練習風景は、実は完成された劇場バレエを鑑賞するよりも心に響いてしまったりする。